Little Girl Blue のいろいろ 

今回はロジャース&ハートの曲「Little Girl Blue」の色々な録音を紹介します。歌詞は例えばこのページを参考にして下さい。ふしあわせな女の子に、うまくいかないときは、座って降りしきる雨の音を数えるしかないんだと語りかけるような、あるいは自問自答するような歌です。

まずはチェット・ベイカー1957年のアルバム「Embraceable you」に収録の2バージョンです。インスト版もかなりいいんですが、ボーカル版がものすごくいいです。コーラスから歌い始め、三拍子のバースを間にはさんでいます。

このアルバム全体で、チェットの歌声もトランペットも、とてもやさしくて、疲れている人向きです。伝記によると大変問題のあった時期にさしかかっていたらしくて、このアルバム自体もあまりの暗さにお蔵入りとなり、チェットの死後発売されたものなんだそうです。

チェットはこの曲を何度も録音していますが、ぼくにはこのアルバムでの歌がベストです。他の収録アルバムを簡単にあげときます。

Diane : Chet Baker and Paul Bley
1985年。インスト。超ド級に暗いアルバムです。たぶんヘロインと相性がいい音楽なのだと思いますが、あまり体験したくないですね。。。

「Little Girl Blue : Chet Baker meets Space Jazz Trio」
1988年。最後のスタジオ録音だそうです。ボーカル。「Sit there ...」が「シュッジェ〜」って感じで歌われていて、じじい感強し。ピエラヌンツィのピアノトリオと共演。バンド名がおもろいですね。



ニーナ・シモンのファーストアルバム「Little Girl Blue」所収。この人の声は太すぎてあまり好きではなかったのですが、これはものすごくいいです。子供のピアノのおけいこみたいな伴奏を弾いていて、そこがまた泣ける感じ。

シナトラ「Songs for Young Lovers」所収。バースから歌い始めています。この曲の歌い方はお兄さん的というか保護者的というか、あまり共感できません。なおシナトラは声があまり好きではないんだけど、好きな曲もあるので、今後ファンになる可能性はあり。

タル・ファーロウ「Verve Jazz Masters 41」所収。ギタリスト。最近突然この人のファンになりました。いわゆるコード奏法という弾き方です。ウェスが「ポルカドッツ〜」を弾いているような感じで、すごくいいですよ。このベスト盤全体としてはあまり感心しませんでした。「The Swinging Guitar of Tal Farlow」のアルバムが大好き。

ライル・リッツ「How About Uke?」所収。ウクレレのソロ演奏です。参考にしてぼくも弾いてみようかと思いますが、地味すぎるかなあ。このアルバムはフルートが邪魔なのであまり聴いてません。


最後に紹介したいのがジャニス・ジョプリン「コズミック・ブルースを歌う」所収のバージョン。

バースどころかBメロもなしで、ひたすら「指を数えなさい」「雨粒を数えなさい」、それしかないのよ、あなたは終わったのよ、とたたみかけます。

しかし最後にジャニスは、元の歌詞にない行を加えます。

 わたしが知っている、あなたはふしあわせなのだと
 わたしが知っている、あなたの気持ちを

チェットの歌が耳元でささやいて心を癒すのだとしたら、ジャニスの歌は心臓を両手でつかんで前後に激しくゆさぶります。歌が終わるころには滂沱の涙とともにあなたの魂は少し浄化されていることでしょう。

コメント

つられて、Napsterでいくつかの
バージョンを聴いてみましたよ。
(そういうときに便利です)

エラ・フィッツジェラルドのは
ゴージャスでやさしかった。

ずっとジャニスのオリジナルと
思ってたくらいなので、
このバージョンがおれには永遠
に特別だなあ。

ジャニスのはぼくにとっても本当の本当に特別。ジャニスのレコーディングの中でも最高のひとつと言う人が多いみたいね。

ニーナ・シモンはピアノの前奏だけで感動しちゃう。いま、この人のファーストアルバムがめちゃ気に入ってます。

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