スポンサーサイト  

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Posted on --/--/-- --. --:-- [edit]

category: スポンサー広告

tb: --   cm: --

木村紅美「海行き」(『文學界』2006年11月号)  

文學界新人賞受賞第一作。不在の主人公「れい子さん」の誰も知らなかった生活が浮き彫りになっていく受賞作「風化する女」同様、今作でも明確に上京者の生活が中心にすえられている。

山梨出身の語り手、「澄ちゃん」は、文房具の卸し会社の事務員。澄と学生時代にグループだった「譲くん」「サラちゃん」の二人は同じような都市生活者だったが、譲は岩手の田舎にある実家のロック喫茶を継いでおり、その譲に会いに行こうと澄を誘うサラも、これから石垣島へ移住してマンゴー畑で働くことが決まっている。サラは失敗したら熊本の実家に帰り、東京に戻るつもりはないという。つまり学生時代に上京者の同じような境遇でグループになった彼らだが、語り手以外は都市生活から抜け出して、共同体的な地方へ回収されて行く。

そんな中で澄は会社・自炊・習い事・催し物と日々忙しくしていて、さびしさを感じないという風に自分の状況を説明している。しかし学生の頃に譲が言ったことを思い出しもする。「三人でいるのも楽しいんだけどさ、そろそろ、ちがう出会いもほしいよなあ」。サラも譲もそうらしいので、自分だけそんなふうに考えていなかったと、澄は焦りを感じたのだった。学生時代にも二人に乗り遅れた澄が三十路にさしかかった現在ふと気づくと、他の二人はそれぞれの場所へ回収されて行こうとしている。ただし今、澄はこんな風に思ってもいる。いつも三人でいた学生の頃は「何て贅沢な時間だったのだろう、と感じられる。でも戻りたいとは思わない」。

この淡々と語られていく小説中、たったひとつ感情がたかぶる場面がある。それは一度だけ譲と二人ですごしたクリスマスの回想だ。泊まっていくと思っていた譲が帰ってしまい「はじめての、死にたくなるほどのさびしさ」を感じる。その日二人で見た、「自慰機械」をテーマにした映画『悦楽共犯者』の一場面を思い出しながら、フランスパンを「ちぎってはまるめているうちに、涙が出てきた」「そうして、夜が終わるのを待った」。自慰の換喩とも言えそうなこのシーンはとても美しい。

希望どおりではないけれども仕事をして、ケーキセットを注文できるくらいの収入があって、時々は遠くの友達に会いに行くこともできる。「それは当たりまえでありながら、じつは、奇跡的と言えるくらいの幸せ」だ。しかしそれは、孤独に耐えられる大人だけが言うことのできる述懐なのだろう。その「大人」も、時には学生の頃の記憶に、かすかに揺さぶられる。現在と過去が交錯する構成が、ゆるやかに心を動かす小説だ。
スポンサーサイト

Posted on 2006/10/23 Mon. 13:22 [edit]

category:

thread: 読書メモ - janre: 本・雑誌

tb: 0   cm: 1

3連ランダム打法  

パチンコみたいですが、ウクレレの弾き方です。。。だそうです。

関レレ数年ぶりらしい京都特例会(10/15)、「マニアックコース」の担当は白鳥さんでした。ぼくはこの人の「バトキン奏法」の記事をネットで読んでウクレレにハマっていったのですが、バトキンじゃなくてもすごいんですよ。

今回の講義は、「1小節4拍に一度以上3連ストロークを打つとしたらその組み合わせは?(答え:15通り)」という数学の話から始まりました。それが2小節になると255通り。Webカラーの表現色数と同じですね。

ウクレレの教本には必ず「3連ストローク」というのが書いてあったりするけど、それをどう使うということは書いてない、と白鳥さんは言うんですが、その通りだと思います。その辺は先生について習うとか、人の演奏をみて盗むとかいう領域であると、音楽の世界ではされているように思います。白鳥さんのすごいのはそこを理論化して教えてくれることです。

で、さらに白鳥さんのおもろいとこは、そこで造語を出してくることですね。「3連ランダム打法」「3連ランダム打法の連続活用」etc。会場からは時折「キタキタ?ッ」という笑いがもれました。

忘れないうちにこの日習った他の用語も書いておこう。これらは造語かどうか知りません。「バトキン奏法」は造語のはずです。

・1拍3連…シャッフルのこと
・半拍3連…バトキンのこと
・ビートの装飾…ハワイアンで、コードを1/3拍先送りして、さらに2分割する(親指→人差し指のアップストロークを入れる)。これと1拍3連との組み合わせの妙がハワイアン・ウクレレの醍醐味なんだそうです。

他に有名な練習曲「FFT」に F -> F#dim -> Gm7(11)* -> Caug というケーデンスを入れると、1弦の「ド」がペダルトーンになっていてかっこいいとかね、うまい人の技っていうのはこういうとこにあるんだなあと教えられました。

*ウクレレでは3度がないのでメジャーかマイナーか分かりません。多分マイナーだと思います。

Posted on 2006/10/16 Mon. 12:25 [edit]

category: 楽器

thread: 楽器 - janre: 音楽

tb: 0   cm: 2

プロフィール

ブログ内検索

最近の記事

アフィリエイト

Twitter

最近のコメント

カテゴリー

月別アーカイブ

リンク

チェルシーズ物販コーナー


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。